2023年09月30日

人はなぜ持ち家を持ちたがるのか

人はなぜ持ち家を持ちたがるのか。

 
リフォーム屋をやっていて思うこと。

 
 
全員ではないが、多くの方が30代、40代で家を買う。戸建て、マンション。

 
ほとんどの方がローンを組む。

頭金を入れる、入れないはあるが、大半が35年で払う。420回払い。

 
35歳で払い出したとし、完了する頃には70歳。

 
持ち家と賃貸、どちらがお金がかかる?みたいな質問がよくあるが、持ち家に決まっている。

 
例えば毎月のローンが8万円、家賃が12万だったとしても、賃貸住宅の方がはるかに人生での総支払額は少ないだろう。

 
固定資産税をはじめとする税金、そしてリフォームの費用はそんなに甘くないからだ。

 
固定資産税で数十万、10年〜15年に一回の給湯器やエアコンの交換に加え、築20年から徐々に始まるリフォーム費用は100万円単位となる。

生涯において、普通の方が普通に持ち家を直す費用のアベレージは1000万円であるとデータで出ている。

 
 
80歳で亡くなるとしよう。夫婦とも。

 
だいたいその家には息子や娘は戻ってこない。

 
これはデータではなく肌感であるが、戻ってくる子供は10件に1件なんてものではない。

100件に5とか6組が親が死んだら実家に戻るというくらいではないか。

 
あとは空き家となる。

 
息子や娘はその家をどうするか。

 
だいたい売っている。

持っていてもしょうがないし、維持費がかかる。

 
よほどの街中で価値の高い土地以外は、自分が住まないのであれば早々の売却が含み損を抱えないベターな選択だと私も思う。

 
 
一生かかって支払い、維持した持ち家。子供には受け継がれないのが大方のながれだ。

 
それなのに持ち家を買い、賃貸のどれくらい増しであろうかお金を毎月毎月払う。

 
そんな姿って、実は持ち家だと思っているが、賃貸みたいなようなものだと感じる。

 
生きている間、自分のモノという権利を得ているが、実は死んだら返すから賃貸、みたいな。

 
 
 
そんなこと言ったら不動産なんてみんなそんなものかもしれない。

 
ただ、不動産は今を如何に生むか、要は価値があるかが値打ちである。

 
快適な生活、心の拠り所。子供の成長。そして思い出づくり。

 
そんなために人は持ち家を持つ。高い高い費用を一生をかけて払って。

 
 
そう思ったら人の人生ってなんなのだろう。

 
まぁ、お金の問題だけではないのも理解できるし、それが人の一生のスタンダードな歩みであるのかな。

 
 
 
 
 
 
 
posted by orangeknight at 14:17
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