詳細な諸条件はあるが、東京都議会で2025年4月から、都内で新築される戸建て住宅に太陽光パネルの設置義務化が決まった。
私は太陽光発電システムを売っているし、自宅でも設置しているし、現在建築中の本社屋でもそれを搭載するつもりなのですが、設置義務化には反対です。
まず、この日本でそのような強制的な義務化はあってはならない。各自で考え、それぞれで決めたら良いと思う。自由だ。
自宅に載せたのは10年前の当時、売電の価格が良かったから。現在と違い、どう考えても儲かる仕組みであった。
メーカーや卸の皆さんが安価にしてくれたのも理由の1つだ。
建築中の本社屋に載せるのは、ZEB(ゼブと読む。ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)を導入するため。
ZEBとは建物の躯体や断熱性能、設備機器の省エネ性能を向上させ、再生可能エネルギーを利用し、建物全体のエネルギー消費量を限りなく0にしようという考え方ですが、要は性能の良い建物を建て、太陽光発電で電気代を0円にしたいのです。
そんな理由から載せている。デメリットもあるが、それをメリットが超えているから載せている。
みんなそれぞれで、自宅に照らし合わせて考えたらよいのではないかと思う。
デメリットですが、太陽光発電のパネルは耐用年数は30年で設定されている。10年くらい前から急激に増えたので、あと20年くらいしたらそのゴミで産廃施設はごった返す。
あのパネルを処分する方法は現在確立されておらず、埋めるしかない。
ペットボトルやコンビニの袋がどうとかいう量ではない。山際に貼り巡らされたあのパネルが全てゴミになる。設置自体が環境破壊に見えるが、処分でそれは決定的になる。
個人でも、その頃には廃棄費用がある程度発生する。
撤去するのに足場が要り、職人の手間代に産廃処分費を考えると、普通の一戸建てで20万から30万円は想定した方がいい。産廃代は年々上がっているからそんなものでおさまらないかもしれない。
私は自宅では下屋根に載せている。下屋根の屋根の素材は板金、ハイロックである。搭載を想定してそれにした。
パネルの下がおそらく陽当たりが悪く痛むし、撤去したら真っ黒になっているだろうから、塗装やカバー工法を施せる素材を下地にした。
大屋根は瓦だ。いぶしの今どきの瓦なのですが、屋根は瓦が最も美しいと思っている。それもいぶしが。
自分の価値観で言えば、自社仏閣のあの瓦の葺き方がたまらない。まる瓦を反った曲線を描きながら葺いていく屋根が最高だ。
いつかそんな屋根を葺いた家に住みたいとも思っている。夢だ。
東京の方は瓦の造形美を味わえない。建築には効率もあるが、見映えという価値観もある。
瓦の上に搭載した太陽光発電パネルを撤去すると、変色と瓦には設置のための穴をあけているので、それなりの修繕が必要になる。そんなことは建てた当初に普通は考えなしい、思いもよらない。
そんな理由から反対だ。メリットや環境を大義名分とした施策は大切だが、デメリットや、本当の環境の事や出口のことも提唱してから決めてほしい。
その前に強制されるのがもっと嫌であるが。全国に波及しないようにと願う。
2022年12月17日
都の太陽光義務化について
posted by orangeknight at 10:24
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