2022年06月19日

お客様の中に入るから

リフォーム業と言うものはお客様のおうちの中に入っていく仕事だ。

 
特に営業を担当する者はお客様と直接話をする訳だから、中に入らないと行けない。

 
中とは家の中という事もあるが、内情である。

 
トイレやエコキュートの取り替えだけではそこまで深くないかもしれないが、水廻りのリフォームや、増改築など、大きな工事の成功にはそれが欠かせない。

 
お客様がリフォームをする理由は「現状に対する不満と不便」というのが定義である。これ以外は私は無いと考えている。

 
そして、何に不満と不便を感じておられるのかを把握すること、また、家族構成、その家族の今後の展開から健康状態などを理解した上で、プランや工事を進めるからこそ成功へと近づく。

 
大層な表現かもしれないが、これからこのご家庭はこういうふうに進んでいくというビジョンは把握するべきだ。

 
 
新規のお客様は、相見積もりを取られる方が多い。

 
これは相手がどういう会社か分からないという点、相場観などを知りたい、などから分からないではないが、前述のことを尋ねてこない会社や担当者を選んでしまうと大体工事はうまくいかない。

 
我々建築関係はみんな思っているが、「リフォームというものは、全て成功して終わるものではない」。

そんな簡単な世界ではない。

工事が大きくなればなるほど、完工した時に「頼んでよかった!」とお客様が感じているかといえばそんな事はない。

 
最初は良いが、終わりが全然ダメというのが、リフォームの世界のあるあるなのだ。

 
どんな大きな会社でも、リフォーム専門店でも、家電量販でも個人の工務店でも同じ。

 
昔から近所の工務店の悪口を言う人は多いでしょう。そういうものだからです。理不尽が多い世界でもあるがそういうものだ。

 
大きなリフォームをされたことがある方ならご理解いただけるだろう。

 
偉そうに私も書いているが、今もお客様によって全て異なる満足をご提供できているかといえばそんな事はないかもしれないし、未熟だった20代の頃は「あんたに頼まんかったらよかった」と言われたこともある。

 
 
なぜこのリフォームをするのかを聞いてこない営業担当者はだめだ。不満と不便を解消したうえで仕事をいただくというのが正しいのだが、彼らは己の売上が一番にある。

 
またお客様もなぜこのリフォームをするのかを言った方が良い。金額だけ、表面上の付き合いでは満足どころか、感動など得られない。

 
 
 
お客様の中に入る。もちろんずかずか入ってはいけない。デリカシーは大切だ。しかし、当たり障りのある話はした方がいい。

 
だからこそ、終わったときに「頼んでよかった」と言っていただける。

 
モノを売って終わる営業ではなく、コトを売り、そこから始まるコトの提供。そこは深い世界なのだ。

 
 
リフォームの営業を22年していて、そのご家庭の内情を誰にも言っていないことなんて事はザラにある。

 
これを墓場まで持っていくということか。

 
「実はね」とお客様が語ってくれた内容は、工事をするにあたり、担当の私だけが知っておれば良いことが多い。なので、社内でも、職人にも誰にも言わない。

 
ただ、お客様のご意向を尊重し、お客様の言葉を自分の言葉で進めるだけだ。

 
お客様はだいたい私より年長、皆様人生いろいろあったのだ。なのでそれも分かっていただいているだろう。

 
お客様にそれが伝わり、信用から、信頼に発展すると思う。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
posted by orangeknight at 09:39
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