社内で頻繁に「(お客様に)見積りを持って行く日を、前もって約束しなさい」と言っている。
見積りが仕上がったのちに、お客様に電話して「見積りが出来ました。今から伺って良いですか?」とか「見積りが揃ったのですが、いつがよろしいですか?」と尋ねるのはダメだと言っている。
理由はたくさんある。
その中でも一番重要なこと。
それは「逆の立場なら嫌」だから。
誰しも予定がある。なんであなたに合わせないといけないのと思ってしまう。それに、前もって言ってくれていたら自分の予定が立てられる。
物売りとして理解しておかないといけないのが、いわゆる良い客層を顧客に持ちたかったら、より自分を捧げないといけない。
良い客層とはいろんな要素があるが、ここではお金を持っている人としよう。分かりやすく。
お金を持っている人はプライドが高い。スケジュールも詰まっている。短気な人が多い。せっかちかな。そして、自分にも厳しいが人にも厳しい。
そんな人に「見積りが出来ましたが今日はご都合いかがですか?」と聞いたらいけない。あり得ない。タブーだ。禁句だ。聞くことがあるなら枕詞を添え、超丁重にだ。
普通に尋ねると「俺を(私を)暇だと思っているのか?」と思われると考えた方がいいだろう。
そして、そんな人は「この担当者は分かっていない。信頼できない」となり、発注やリピートはいただけないのだ。
単純な事なのだが、それをきちんとしないから良い客層がいつまでも付かず、「いつでも来ていいよ」というスタンダードな客層しか獲得出来ないのだ。
優しい「いつでもいいよ、あなたに合わせるから」という客層に対しても、前もって約束する習慣にしたら相手への敬いの気持ちは伝わるし、そんな人にこそ甘えてはいけないとも思う。
お客様がどうとか言っているのではなく、逆の立場で考えたらいい。
自分が客で、営業マンに「今から伺って良いですか?」と聞かれ、「いつでも良いよ」と言っているような人間なら、自分がどのような仕事のレベルか、また現在の立場かが想像したら分かるだろう。
10年に1回10万円の工事を相見積もりでさせていただくお客様と、何かあるごとに「あなたに任せる」と呼んでくださるお客様、「信用しているから」と500万円の工事を発注くださるお客様は区別すべきである。
営業マンは自分よりステージの高いお客様と出会い、教えてもらい、気付き、時には叱られ、怒鳴られて成長していくのが望ましい。
いろんな年上の方々に少しずつ高めていただき、自分も仕事で少しでもお返しし、またより高いステージのお客様と巡り合う。
そんな重要な過程なのだ。見積りを持って行く日を前もって決めるということは。
お客様のご都合に合わせる。ご満足してもらったうえで利益を出させていただく。それが客商売だ。自分本位ではいけない。
いつも逆の立場になって考えてみるとよく分かるし、自分は気を付けたいと思っている。
2022年05月25日
見積りを持って行く日を前もって約束する
posted by orangeknight at 16:15
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