2022年01月16日

カタログをお客様へ渡すタイミング

カタログは持参しない方がいい。

 
システムキッチンやシステムバスをリフォームしたいと、お考えのお客様との初回商談でのことである。

 
これはお電話やネットで問合せをいただき、現地調査の初回のことです。店へ来店された方はまた別です。

 
 
理由は2つある。

 
1つは初回面談や初回のヒアリングは、お客様のおうちのキッチンなり、お風呂の現状の不満や不便をしっかりと聞くことが大切だからだ。

 
リフォームというものは、不満と不便を解消するものと、私は定義付けている。それ以外の何でもない。

 
なので、どのように改善してあげたら、このお客様に対し、より快適を提供できるのかを考えるのが初回であり、商品の説明など必要ないからだ。

 
初回で、「今のキッチンやお風呂は〜」と夢を膨らませてあげることも確かに必要であるが、現状の問題点を改善してあげないと、それは真の営業とは言えない。

 
皆さんも医院や病院に行き、良い医師ほどこちらの話を聴いてくれると感じているはず。ヤブ医者はこちらの顔も見ず、パソコン画面に向かい、かちゃかちゃと入力しているでしょう。同じです。

 
1件1件全て状況は違います。住宅の状況から家族構成、健康面など、当たり障りのある会話も必要でそれが初回なのだ。

 
 
2つ目の理由は決まらなくなるから。または時間と手間を倍増されることになるからです。

 
初回にカタログを持参し、お客様に渡すと、契約を獲るまでのハードルが上がる。

なぜなら知識武装されるからです。

よりナンセンスは複数のメーカーのカタログを渡すこと。

これでほとんどのお客様は迷うし、LIXILもTOTOもクリナップも見積りしてほしいとなる。

 
車を買うときは、あらかたでもこのメーカーでこの車種が欲しいなと、消費者は考えるのですが、住宅設備機器はそうではない。

 
お風呂のリフォームを一般消費者が考えるとき「LIXILのアライズにしたいな」「TOTOのサザナにしようと思っている」なんて仰ることはまず無い。メーカーもそれを分かっているのでそこへの広告は打っていないと思う。

 
だいたい何でもそうですが、ある商品が欲しく、実際に買おうという人間はカタログを読み込む。興味、関心があるから。

 
薄く広く知識を持っているリフォームの営業担当より格段に詳しくなる。こちらが提案したプランをまた練り直し、それをまた練り直しとなり決まりにくくなるのです。

 
単独見積りなら、まだ受注までの期間が伸びるということで済むが、相見積もりなら失注することも往々にしてある。

ただの良い人で終わってしまうことは次回に繋がらないのがリフォームの世界、受注してナンボでもないが、受注しないと何も始まらないし、未来もない。

キッチンを失注したお客様から「今度お風呂はあなたに頼むから」と言われ、頼まれたことは無い。

 
 
それらの理由からカタログは初回に必要ない。

 
カタログは見積り持参時に、そのお客様のために作成したプレゼンと一緒に持っていけばいい。

 
より詳しく進めるのは、そこで契約をいただいてからだ。

 
メーカーのショールームに同行し、こんなのもあるんだ、この色も良いねとお客様に楽しんでいただき、何なら契約はLIXILの商品でいただいているが、タカラで見積りもしましょうかと提案してあげればいい。

それで顧客満足も高まるし、契約も早くいただけるし、失注もない。

 
 
カタログを持参するのは契約をいただくとき。

あくまで初回は不満や不便をしっかりと聴き、お客様を知識武装させ迷わせないことに努める。

 
 
もちろんイレギュラーもありますが、これがキッチンやお風呂のリフォーム工事受注の王道、セオリーである。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
posted by orangeknight at 10:23
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