2021年12月19日

サピエンスとコミュニケーション

今読んでいる本に、サピエンスがネアンデルタール人やエレクトス、デニソワ人、身長1メートルほどの人種フローレス原人などが、3万年から5万年前に絶滅したなか存続し続け、現在も地球上を支配しているのは、他の人種とはコミュニケーション能力が異なったからだと書いている。

 
組織論ではなく、人類の歴史の本だが、そこに興味深いことが書かれていた。

 
他の人類はコミュニケーションが他の人とはうまくとれずに絶滅した(狩の仕方や耕作、住居などの建設等)が、残ったサピエンスもこのような特性があるらしい。

 
人は150人以上の人とは親しく付き合えない生き物らしい。

 
本当の友人と言えるのは5人まで、知り合いは500人くらい、街で見分けられる人数は1500人というのが人のようだ。

 
 
150人に話を戻すが、150人というのは一つの集団としては限界のようで、その数を超えると、指示を出してもみんな言うことを聞かないという。

 
確かに、150人くらいいる場では、前で何かを言っても、言われても、私もそうだが、みんな自分のこととして捉えない傾向があるように、今までの経験で感じる。

 
それが50人くらいだと全然違い、すぐに指示が伝わるし、反応する。

 
おもしろい。50人の前で「おはようございます」と挨拶すると返ってくるが、150人だとかなりまばらですもんね。

 
 
150人のコミュニティを維持するためには、直接それぞれと常に話ができるわけでないから、人は噂話もせっせと流すのだという。

 
噂話はその人と離れたくないから流しているのであり、求めているからこその行動のようだ。それは良い噂話も悪い噂話も共通している。確かに、関心がないと噂もしない。人が何かを噂してくれるのはそういうことが前提であるようだ。

 
 
さらに面白いのが、サピエンスがコミュニケーションとして150人の壁を越えるにあたり利用したのが虚構だという。

 
「雲の上に神様がいる」「こうすれば雨が降る」「宗教や神話」さまざまな虚構はサピエンスにしか出来ない芸当らしく、それが可能なおかげでより多くの人数とコミュニケーションをとることに成功し、現在に至るという。

 
3万2000年前の象牙像などが出土している。それらから、先史の時代から、まだ人がサルみたいな生活をしていた時から、目に前のリアルだけでなく、虚構をイメージできたという。

 
なんだかんだ言ってもDNAの通りに人は行動している。興味深いなぁと思うし、そういうことなのかと腑に落ちた日曜日の午前であります。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
posted by orangeknight at 11:15
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