今読んでいる本に、サピエンスがネアンデルタール人やエレクトス、デニソワ人、身長1メートルほどの人種フローレス原人などが、3万年から5万年前に絶滅したなか存続し続け、現在も地球上を支配しているのは、他の人種とはコミュニケーション能力が異なったからだと書いている。
組織論ではなく、人類の歴史の本だが、そこに興味深いことが書かれていた。
他の人類はコミュニケーションが他の人とはうまくとれずに絶滅した(狩の仕方や耕作、住居などの建設等)が、残ったサピエンスもこのような特性があるらしい。
人は150人以上の人とは親しく付き合えない生き物らしい。
本当の友人と言えるのは5人まで、知り合いは500人くらい、街で見分けられる人数は1500人というのが人のようだ。
150人に話を戻すが、150人というのは一つの集団としては限界のようで、その数を超えると、指示を出してもみんな言うことを聞かないという。
確かに、150人くらいいる場では、前で何かを言っても、言われても、私もそうだが、みんな自分のこととして捉えない傾向があるように、今までの経験で感じる。
それが50人くらいだと全然違い、すぐに指示が伝わるし、反応する。
おもしろい。50人の前で「おはようございます」と挨拶すると返ってくるが、150人だとかなりまばらですもんね。
150人のコミュニティを維持するためには、直接それぞれと常に話ができるわけでないから、人は噂話もせっせと流すのだという。
噂話はその人と離れたくないから流しているのであり、求めているからこその行動のようだ。それは良い噂話も悪い噂話も共通している。確かに、関心がないと噂もしない。人が何かを噂してくれるのはそういうことが前提であるようだ。
さらに面白いのが、サピエンスがコミュニケーションとして150人の壁を越えるにあたり利用したのが虚構だという。
「雲の上に神様がいる」「こうすれば雨が降る」「宗教や神話」さまざまな虚構はサピエンスにしか出来ない芸当らしく、それが可能なおかげでより多くの人数とコミュニケーションをとることに成功し、現在に至るという。
3万2000年前の象牙像などが出土している。それらから、先史の時代から、まだ人がサルみたいな生活をしていた時から、目に前のリアルだけでなく、虚構をイメージできたという。
なんだかんだ言ってもDNAの通りに人は行動している。興味深いなぁと思うし、そういうことなのかと腑に落ちた日曜日の午前であります。
2021年12月19日
サピエンスとコミュニケーション
posted by orangeknight at 11:15
-
Twitter
-
最近の記事
- (12/19) サピエンスとコミュニケーション
-
過去ログ
- 2024年11月 (26)
- 2024年10月 (35)
- 2024年9月 (42)
- 2024年8月 (30)
- 2024年7月 (40)
- 2024年6月 (41)
- 2024年5月 (35)
- 2024年4月 (42)
- 2024年3月 (53)
- 2024年2月 (39)
- 2024年1月 (37)
- 2023年12月 (40)
- 2023年11月 (35)
- 2023年10月 (33)
- 2023年9月 (39)
- 2023年8月 (36)
- 2023年7月 (37)
- 2023年6月 (42)
- 2023年5月 (32)
- 2023年4月 (31)
- 2023年3月 (38)
- 2023年2月 (32)
- 2023年1月 (31)
- 2022年12月 (36)
- 2022年11月 (34)
- 2022年10月 (28)
- 2022年9月 (27)
- 2022年8月 (30)
- 2022年7月 (32)
- 2022年6月 (40)
- 2022年5月 (21)
- 2022年4月 (34)
- 2022年3月 (40)
- 2022年2月 (31)
- 2022年1月 (34)
- 2021年12月 (35)
- 2021年11月 (32)
- 2021年10月 (34)
- 2021年9月 (39)
- 2021年8月 (35)
- 2021年7月 (42)
- 2021年6月 (30)
- 2021年5月 (28)
- 2021年4月 (30)
- 2021年3月 (29)
- 2021年2月 (34)
- 2021年1月 (37)
- 2020年12月 (38)
- 2020年11月 (38)
- 2020年10月 (36)
- 2020年9月 (32)
- 2020年8月 (36)
- 2020年7月 (34)
- 2020年6月 (36)
- 2020年5月 (39)
- 2020年4月 (43)
- 2020年3月 (40)
- 2020年2月 (36)
- 2020年1月 (34)
- 2019年12月 (37)
- 2019年11月 (28)
- 2019年10月 (30)
- 2019年9月 (43)
- 2019年8月 (33)
- 2019年7月 (34)
- 2019年6月 (34)
- 2019年5月 (25)
- 2019年4月 (29)
- 2019年3月 (37)
- 2019年2月 (34)
- 2019年1月 (28)
- 2018年12月 (32)
- 2018年11月 (31)
- 2018年10月 (34)
- 2018年9月 (37)
- 2018年8月 (29)
- 2018年7月 (39)
- 2018年6月 (40)
- 2018年5月 (34)
- 2018年4月 (35)
- 2018年3月 (34)
- 2018年2月 (25)
- 2018年1月 (31)
- 2017年12月 (29)
- 2017年11月 (31)
- 2017年10月 (30)
- 2017年9月 (33)
- 2017年8月 (39)
- 2017年7月 (39)
- 2017年6月 (35)
- 2017年5月 (40)
- 2017年4月 (42)
- 2017年3月 (34)
- 2017年2月 (41)
- 2017年1月 (41)
- 2016年12月 (40)
- 2016年11月 (35)
- 2016年10月 (37)
- 2016年9月 (43)
- 2016年8月 (49)
- 2016年7月 (38)
- 2016年6月 (44)
- 2016年5月 (46)
- 2016年4月 (41)
- 2016年3月 (43)
- 2016年2月 (41)
- 2016年1月 (43)
- 2015年12月 (43)
- 2015年11月 (45)
- 2015年10月 (41)
- 2015年9月 (36)
- 2015年8月 (36)
- 2015年7月 (33)
- 2015年6月 (23)
- 2015年5月 (30)
- 2015年4月 (34)
- 2015年3月 (38)
- 2015年2月 (26)
- 2015年1月 (27)
- 2014年12月 (28)
- 2014年11月 (31)
- 2014年10月 (20)
- 2014年9月 (21)
- 2014年8月 (21)
- 2014年7月 (26)
- 2014年6月 (23)
- 2014年5月 (21)
- 2014年4月 (22)
- 2014年3月 (22)
- 2014年2月 (21)
- 2014年1月 (20)
- 2013年12月 (22)
- 2013年11月 (22)
- 2013年10月 (22)
- 2013年9月 (26)
- 2013年8月 (25)
- 2013年7月 (27)
- 2013年6月 (31)
- 2013年5月 (31)
- 2013年4月 (35)
- 2013年3月 (33)
- 2013年2月 (29)
- 2013年1月 (38)
- 2012年12月 (30)
- 2012年11月 (35)
- 2012年10月 (34)
- 2012年9月 (35)
- 2012年8月 (30)
- 2012年7月 (39)
- 2012年6月 (29)
- 2012年5月 (31)
- 2012年4月 (38)
- 2012年3月 (33)
- 2012年2月 (29)
- 2012年1月 (27)
- 2011年12月 (24)
- 2011年11月 (31)
- 2011年10月 (25)
- 2011年9月 (27)
- 2011年8月 (26)
- 2011年7月 (42)
- 2011年6月 (2)