落合博満氏の事を書いているからです。
私、20代からもうずっと落合さんのいろんな理論を崇拝しています。一度会ってみたい。

落合さんが中日の監督だった8年間の事が、番記者だった筆者の口から、また川崎憲次郎や森野、福留、宇野、そして荒木などの立場から綴られています。
まず感じたのが、筆者の取材力と感性、優秀な記者はそういうふうにして話を聴き、点と点を繋げているのだなと思った。
読んでいて、私もその立場だったら423ページのようにしたと思う。
2011年9月20日の夜、落合邸にスクープをとりに取材に行ったが「ワンブロック手前で背を向け、来た道を引き返した。落合の退任が発表されたのはその2日後だった」
筆者はどうするんだろう、私ならインターホンは押せないなと読んでいった。この行動に胸が熱くなった。
タイトル「嫌われた監督」いろんな意味が込められた「嫌われた」だと感じた。
辞める時「嫌われたんだよ」と信子夫人が笑っていたらしい。
落合さんのいうプロ、個人主義、自分のためにという教えは、好き嫌いという感情など完全に排除したものである。
しかし、この世の中はそういった想いが技術よりも優先される事があると落合さんも言っている。
だからこそ、好き嫌いで判断される選手ではなく、嫌でも使わないと困るような選手になれと教えた。
常勝球団に創り上げたのに、嫌われたから解任される。
自身はそんな感情は捨て去っているが、世の中は違うという象徴的な優勝した年での解任劇だったと感じた。
余談ですが、今日のテレビ「サンデーモーニング」に落合さんがゲスト出演しており、ある高校生のバッティング映像を観て「打つときに手が前に出ているから苦労しないと思う」。空手の型で世界大会4連覇している選手のことを「勝ち方を知っている」とどちらも一言ずつ、そのコメントの真意を説明しない、いつもの独特の俯瞰した言い回しに痺れる。
今から約30年前の選手のとき、約10年前の監督のとき、落合さん考え方、指導は時代に対して早すぎたんだなと、この本を読んで改めて思いました。やはり天才です。
分厚いですが面白くで一気に読めます。プロ野球を少し知っている40歳以上世代にはハマると思います。