
主人公である弁護士 剣持麗子の一人称で展開される物語でありました。
彼女が日常から非日常へ、そしてまた日常へと帰っていく数ヶ月間の出来事。
大手製薬会社の御曹司である森川栄治は主人公の元彼、殺された彼の遺言状を巡ってのミステリー作品です。
「お金が何よりも大切よ」という主人公の若い感情がきめ細やかに描写されていて、私は何よりそこに好感と人間味を感じた。
もちろん殺人事件においては予想外の展開が面白かった。作者の描いた構想を全く読めなかった。
まさか彼らが絵を描き、真犯人が別のあの男だったとは。
血縁がテーマであったようにも感じた作品でありました。