2020年09月29日

まだきれいな畳の新調

今月16日に「畳を新しくしてほしいんや」とお電話をいただきました。

 
大規模なリフォームもお世話になっている常連のお客様なので、最優先で即日伺いましたが疑問がありました。

なぜならまだ表替えをして5年しか経っていないからです。

 
奥様に聞きました。

「まだキレイですけど…。変えてくれと言われたらさせていただきますが何かありましたか?」

 
するとこう言われました。

「あなたも知っての通り、主人がだいぶん弱ってるでしょう。もうすぐだと思うのよ」

 
 
確かに入退院は繰り返されていました。

しかし、少し前にも拝見しましたが、いつも通りのご様子でした。

 
「かなり調子悪いんですか?」と尋ねると「それがとても良いのよ。ご飯もしっかり食べているのよオホホホホッ」といつもの甲高い声で笑われる。

 
「でもね、そんな感じがするから、畳は新しくしてほしい」とまだ仰るのでこう言いました。

 
「分かりました。何か感じられるのでしたらそうなんでしょうね。熊本産の太麻表の一番良いのにしておきますので、それで送りましょう」と。

 
 
翌日採寸に職人が伺い、ちょうど1週間前の火曜日に畳を納めさせていただきました。

 
「いつも早くしてくれるから好きやわあ」と言っていただき嬉しく感じました。

 
 
先程、集金に伺ってよろしいですかとお電話するとご主人様が昨日お亡くなりになったと仰いました。

 
 
言葉が一瞬出ませんでした。

 
 
長年一緒にいると分かるんですね。すごいなぁと思います。

 
そして私は、依頼された畳をいち早く納め、間に合わせて良かったと感じました。

 
まさかお亡くなりになるとは私は思っていませんでしたが、いつもお世話になっているご夫婦に尽くせたと思います。

 
 
「今、大和会館で打合せしてるんやあ。明後日にまた連絡するからねーっ」

と、甲高い声で電話越しに仰っていますがお疲れになられたでしょう。

 
ご主人様にはいつも「任せるから良いようにやって」と言っていただいていました。

謹んで御冥福をお祈りします。

 
 
奥様には数年間の看護、介護お疲れ様でした。まだまだこれからの長い人生楽しくお過ごしくださいと思っています。

 
 
畳の新調。これも人生のイベントでした。

 
眼前の役割にいつも全力を尽くすことの大切さをさらに教わった気がします。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
posted by orangeknight at 10:12
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