2012年07月15日

「諦めない生き方」を読む

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今日はこの本を読みました。「諦めない生き方」、都倉亮氏の著書です。

ステージ4の癌にみまわれた著者の、癌との戦いから得た人間力を学ばせていただきました。

この本は都倉氏が、同じ病で苦しんでおられる方々のために書いたものとの事です。

まず、癌が宣告された時に人は何を思うのか。

著者は「どうして、自分が」と思ったらしい。癌の種類は中咽頭癌なんですが、煙草も吸わず、酒も付き合い程度、毎朝五時に起床し、一時間トレーニングをしてから毎朝出社していた健康オタクの自分が…と。

そして、治療へ、青天の霹靂の宣告をされてセカンドオピニオンなどを聞く余裕などなかったと、医者に全てを任せるしかないのが現実だったと。

そして、治療を通していろんな医療の問題点が見えてきたと、さまざまな事が書かれていましたが、僕が一番心に残ったのが、癌患者への精神面へのフォローがなされていない、という点です。

医者の一言で、患者が希望を持てることもあれば、突き放されたと感じる事もあると、全く同感です。

僕がこの本を読もうと思ったのは父が同様に闘病中だからです。

横で病状説明などを聞いていて、正直もうちょっと気の利いた物言いをせえよ、と言葉は悪いですが思いました。

僕なら「必ず治しますから、全力でやりますから…」などと相手の目をみて強く言うのにな、と悲しくなりながら帰ったのを昨日のように覚えています。

良い治療とは医療だけではなく、心のケアから看護師の笑顔、病院でのご飯などのトータルだと思います。

職業は違えど、僕も自分の仕事において偏らないようにしなければと思いました。

著者は最初の発症から数年後に転移、今身体に数々の障害が残ってはいますが、幸せだと書かれていました。

過酷な闘病生活、それに伴う経営していた会社の精算、経済的な苦労を経験し、そう思えたのはなぜか?

それは自分が、何か大きな力で生かさせてもらっている、と考えついたからだとの事です。

よく耳にする文言ですが、悟られた人は必ずいきつくところです。

僕は頭で理解しているだけのステージの低い理解度ですが、本当の意味が悟れれば恐怖はなくなるだろうと思います。

キリスト教にこんな言葉があるらしいです。

「神よ、われにあたえたまえ、変えられないことを受け入れる心の平静と、変えられることを変えて行く勇気と、それらを区別する叡智を」

すごい言葉です。変えられないことを受け入れる心の平静を会得するのにするのが勉強ですよね。

著者は残りどれくらいの命があるかわからないが、自分に与えらた使命をまっとうするために残りの人生を精いっぱい生きるとの事。

僕らは今、身体も健康で、仕事もできる、本当に幸せです。

病気で苦しんでおられる方がこんなに頑張っておられるんですから、日々の苦労などゴミみたいなものです。

生かされている、という概念で、そして自分に大変な試練がやってきたときに、いかに平静でおられるか、毎日考え毎日学び、そして全力で働かせてもらい、それが可能な人間を目指したいなと思いました。
posted by orangeknight at 21:37
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