2019年08月23日

たった二文字の「安い」という言葉から

「安い」というキーワードは決して万人に受けるものではありません。

 
例えばLIXILの普及品のトイレがあるとします。

 
当然ながらウォシュレットも付いているようなものですが、機能はスタンダードなものとします。

メーカーの希望小売価格は260000円としましょう。

この商品が工事費込みで99000円。

 
これをチラシで打ち、店頭で営業マン、販売員が「安いよ!安いよ!」と叫ぶ。

 
興味を持ったお客さんが近寄って来たら「安くしていますからどうですか?」と笑顔で接客する。

 
 
「安い」という文言が好きで、どうせ買うなら安く買い叩いた感じを味わいたい方、又バーゲンやアウトレットという普段より安くなっている(のかもしれない)ときに買うのが好きな方にはヒットする売り方です。

 
この層の方は、物の原価などは知らないですしあまり興味を持たない。

そんなことよりも安く買ったんだという満足感を重視する傾向にありますから、ある程度安くなった大義名分をかざし、それを訴求すると効果はある。

言い換えると本当に良いものを安くしても、それが伝われないと買ってももらえない。

 
 
では、ここからが本題なのですが、自らがその前述の層に属する営業マン、販売員は多くの人が自分と同じように「安い」というキーワードに反応すると思い、自分が買うパターンと同じように売ろうとする。無意識もある。

 
世の中には「安い」という言葉に反応しない人。又、むしろそれを拒む層がいます。

 
この層はお金に余裕がある。2区分に分類されるのですが「本当の富裕層」と「富裕層に憧れる成金層」が存在します。

 
同じお客様ではありますが、この2区分が経済を大きく動かしており、10人中2人だとしてもその10人が使うお金の8割をこの2人が動かします。

 
当然最初の安いというキーワードに反応する層も大切ではありますが、我々売り手は売り方をしっかりと考えていかないと薄利でしんどい仕事を連続することになるのです。

 
先ほどのLIXILの工事費込みの99000円のトイレを4台売るのと、LIXILの高級モデルであるサティスGタイプを1台売るのとでは、粗利益が同じとなると仮定しますと、前の4件の接客も大切でありますが、後のお客様に「安いトイレ」を連呼し販売の機会を失しているとしたら、極めてもったいないですし、しんどい仕事を招いています。

 
 
販売する側がなかなか自分のタイプは変えられないとしても、相手に合わせて「安い」という文言を使い分けることは非常に重要であると思います。

 
 
営業の世界で昔からよく言われるのに「お客様は営業マンの鏡」というのがあります。

 
営業担当者も多くの顧客を持つようになると、全体としてお客様の傾向はその担当者を写すというものであります。

 
それはやはり出ると思うのです。しかし、そんな中で「安い」という言葉を使い分けると「安い」が好きなお客様がしっかり獲得でき、「安い」が嫌いなお客様も又確実に獲得できるのではないでしょうか。

 
たった二文字の言葉ですが、生死を分ける言葉だと私は思っているんです。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
posted by orangeknight at 13:38
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