2015年02月26日

「売土地」の看板をみて

午前中に飾磨の細い道を通っていたら「売土地」の看板を目にしました。

「えっ」と思って再度見ても同じ。そこは以前に私が屋根の塗装や台所の工事をさせていただいたお客様のお住まいがあったところなのです。

既におうちは跡形もなく解体され、更地に看板が1枚と水たまりが数カ所あるだけでした。

工事をさせてもらったのがもう6年位前です。この1〜2年は電話をさしあげても繋がったことがなく、体調がお悪いのかなと思っていました。まだ、でもお年も70代半ばでお元気でしたのでどうされたのかと思います。


新しく設置したキッチンで、これまたガスから変えたIHの使い方を簡単にですが私がご説明し、それで沸かせたお湯でコーヒーをよばれました。

ジョワッ、ジュジュッと異常に沸騰したお湯をインスタントコーヒーを先にいれたコップに注いでくださったんですが、沸騰しすぎて机の上にお湯がこぼれまくり「うわーっ!」と言って席を立ったのが昨日の出来事のようです。


なぜ今日その土地の話かと言いますと、そのお客様は奥様に先立たれお一人だったんですが、最初の屋根塗装の時も、そしてその何ヶ月か後の台所の工事の時も常に「息子がここに将来帰ってくるから最低限はしといてやるんや」と仰られていたからです。

息子さんはたしか須磨にマンションを買われ住まれていると言われていました。

その息子さんの子供さんももうそちらで学校にも行かれているし、なかなか飾磨に帰ってこられることはないだろうなと私は思っていましたが、ご主人様のその嬉しそうな顔の前では「そうですね、楽しみですね」しか言えませんでした。

今日、その土地の前でしばらく立っていたんですが、ご主人様が言われていた「息子らぁが帰ってきたらこの部屋の続きで8畳くらいの部屋を作れるか!」という言葉をくっきりと思い出しました。


ご主人様が息子さんの所に行かれたのかなぁ。

亡くなられたのかなぁ。そして、息子さんが土地をお売りになられたのかなぁ。

あの辺りで沸騰しまくったコーヒーのお湯をジュワッと机に撒き散らされたなぁ、そしてご主人様、息子さんと住みたがっていたなぁと思い出しました。


最初の屋根塗装の時「新しい会社なんやったら仕事の足しにせんか!」と言って決めていただいたことはこの先もずっと忘れません。










posted by orangeknight at 13:31
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