昨日から阪急阪神ホテルズが運営する計23店舗のホテルなどで、メニューに表記されたものと違う食材を使っていたということがかなり騒がれています。
「鮮魚のムニエル」と表示しているのに冷凍保存した魚だったり、「手ごねハンバーグ」が既製品、「信州天ざるそば」が信州産でない等今のところ計47種類、約7年間に渡り発覚しなかったとのこと。
新聞にもデカデカと、神戸新聞など一面です。
ホテル側の言い分としては「偽装してだまそうとした意図的なものでなく、メニューの表示担当と調理担当の意思疎通が悪かった」などと決して故意ではないとしています。
そしてそれについてマスコミが一斉にバッシングといういつもの様相を呈しています。
僕がこのニュースで感じたことは、たしかに表示と違うものを使うことは許されないことだと思いました。
うちの会社でも説明している材料と実際使っている材料が違ったら批難をあびますし、それは嘘ですし悪です。
そういったことで目先の儲けがでても長くは続きませんし、悪は滅びるのが常でしょうからやっていけなくなります。
絶対にいけないことだと、お客様の良心を踏みにじるような行為はいけません。
しかし、僕の見解ですが今回の阪急阪神ホテルズの件は騒ぎ過ぎではないかと感じます。
マスコミや大方の世論と違うかもわかりませんが、ホテル側は期限を設けずにレシートなしでもホテルなどを利用したお客様へは代金を返却すると言っています。一部おわび代も支払うそうです。
あくまで予想ですが、ホテル側が意識的に全体的に偽装したものでもないでしょう。
だって今回の件はホテル側が自分のところで内部調査したところ正しくない表記がいくつもあるのが発見され、それを消費者庁にすみませんと届けたんですから。
問題は届け出てから一般に発表するまで10日以上かかったということですが、大きな会社ですから対策対応を練っていたんでしょう、素早くはないですが、そんなめちゃくちゃ遅くもないと思います。
あくまで推測ですが、ホテルの現場サイドは認識していたところもあると思います。
「まぁ、ええんちゃう」のアマちゃんののりですよね。それはあったんではと思います。
でも全体としてはルーズな管理がひきおこした賜物であり、今回他社の件で「ワシのところは大丈夫だろな」と調査させたところ「あるじゃないか!」となり、でも正直に報告し発表したんだと思います。
マスコミや第三者にみつけられて暴かれた件ではなく、あくまで「自首」というところをもうすこし「差」をつけて取りあげてあげないと「世の中ばれないほうが結局得だね」という社会になってしまうと思います。
そこは多少なりとも鑑みて、そしてもう少しそこを報道してあげるのが優しさではないかと思います。
食材が違ってコストが上がっていたものもあったそうですし、新聞の一面ネタではない気がします。
消費者の立場は?と言われそうですが、ホテル側はもちろんいけないことでしょうし、騙しているわけでこれから多かれ少なかれ制裁は受けると思われます。
消費者がいるからこそ我々会社が成り立つのも承知の上で言いますが、消費者は権力を持ち過ぎました。
僕が消費者となった場合もそうですが、何でもありで何でも言い分が通る存在になりすぎました。
会社は上辺だけ消費者に媚びるスタイルがまかり通り、消費者は勘違いする。
お互いがおかしいんではと思います。
お互いがお互いのことを考え、思いやり、その上で行動をとれば今回のようなことは起こりませんし、「とりあえずバッシング」はひろまりません。
ホテル側はなぜに自分たちが存続できているかをもう少し真摯に考え、消費者側は怒る前に悲しんでほしいです。そんな人もたくさんおられると思いますがそれが日本人の心です。
そして、高いだけでありがたがって食べた地鶏ではない鶏や、九条ネギでないネギを「さすが美味しい!」と無条件に賛同したことを恥じた方が前に進める気がします。
自信がありますが、僕が仮にそれらのホテルで食事をしていたら間違いなく「最高や!めっちゃ美味しいー!さすがやな!」と言っていたと思います。
ルーズな経営、事が明るみにでたことの経緯、そして味のわからない僕、これらがこの件の本質ではないでしょうか。
冷たく、薄い社会にしてはいけないと思いますし、僕自身「味」のわかる人間になろうと感じました。
2013年10月23日
ホテルの表記と異なる食材提供に対して
posted by orangeknight at 15:26
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