2014年の8月26日にランクルを売った。
800いくらで新車で買って、1年半、2年は経っていなかったはずだ。
忘れもしない680万で売れた。
絶対に忘れないと、写真をこのように撮った。
それからちょうど10年。車をその時のように2台持つことにかかった年数です。
そんな意味で、昨日は感慨深い夜だった。
1人でその時を思い出し、小さくよしっとガッツポーズをした。小さく。
2013年、創業して6年、初めての赤字をくらった。
売上はどんどん増えるけど、私が会社の基礎をきちんとしないで拡大させたものだから、やればやるほど赤字が大きくなった。
私自身も調子に乗っていたし、勘違いしていた。
初めて言うが、2013年の決算で3800万の赤字を計上し、そこから2014年、2015年は地獄だった。
黒字や利益はなかなか増えないが、落ちる時は一瞬で転げ落ちる。
車の話に戻すが、当時、私はベンツのSクラスを新車で買っていて、その上でランクルを増車した。
複数台持ちたいとずっと思っていたし、そういうのが憧れなのだ。
その頃から業績が悪化していった。
蓋を開けたら2013年の決算は前述の大赤字。顧問税理士の先生から電話で、なかなか厳しい。今期はどうにもならないと聞いたあのクリスマス前後の夕方。話をしているうちに寒空の中で汗が流れた。
その流れは2014年も続く。
売上は前年よりも増えるのに、完工後の利益率が悪く、また人も増やしていたので、固定費が相当上がっており、単月でも利益が出なくなっていた。
あのときは毎朝5時くらいに、汗ボタボタになって目が覚めた。すごかった。この話を会社で何回かしたなぁ。
そこでランクルを売る決意をし、680万で売り、運転資金の足しにした。
それくらいの額、一瞬で無くなったが従業員への決意表明でもあった。
覚えている者もいるかもしれないが「経営不振なので車を売った。しかし、どうにかする」と最初に出したお金の写真と一緒にメールを一斉送信したものだ。
そんなこんなで自分は休み返上、悪いけどと、会社の考え方にそぐわない人へは辞めてもらい、いろんなことに取り組んだ。
そんな最中、2015年の年始に髄膜炎になり入院した。
めちゃくちゃ痛かったなぁ。
疲れていたのかな。
前年に始めたアクアクララにも取り組んだし、会社のみんなで家島の釣り堀に休みの日に行って親睦を深めた。
ネクシーズという会社の近藤太香巳社長の講演を聞き、胸が熱くなり、そして涙がボロボロ出たのも鮮明に覚えている。
みんな乗り越えてきているんだと、当時の私には強烈に刺さり感動した。
写真を観ながら思い出しているが、娘がランドセルを選んでいる写真もその頃にある。
水色が欲しいと言ったのを必死になだめて赤にさせた。
今思えば、彼女の意思を尊重し、あの水色で認めてあげたらよかったと思う。そういうのが協調性よりも重要な強い個を育むことになる。
いろんなことに未熟であったと考えている。
2016年にはトイレジャポンをはじめ、Tポイントをやり、そこからも改革改革に取り組んだ。
まだまだ人も辞めていくし、その頃に、辞めた従業員にお金も取られた。今までで一番苦労した裁判を起こされたのも当時だ。
裁判は、結果和解という名のうちのほぼ全面勝利に終わったが、リフォーム現場では脇の甘さからとんでもないことが起こるし、要求されるし、足元をすくわれることがあるんだと学んだ。
しかし、あの裁判は勉強料としては安かったな。うちの会社のアップグレードに大きく寄与したから。
2017年くらいかな。改革の効果が出始め、また膿も出し切り、利益が再びで出したのも。
そんなこんなでそこから6年、7年で今に至る。
当時、車を2台持っていたが、それは言うならば虚像だったのかな。
でも、憧れだったSクラスだけは死んでも守ると歯を食いしばって働いたのは事実で、車は私のモチベーションであったのだ。
あれがあったから、迷いや弱い気持ちが心の中で出ても、いやいやと思えたし、社員の前では強く存在し続けられた。
10年ぶりの車2台。そんなふうに思いおこす。
でも、たった車を2台にすることに10年もかかるのだからおもしろいものですよね。
今となれば、商売人なので良いときもあれば悪いときもあり、大切なのは、悪いときに良いときのお金の使い方に固執しないこと、即座に変化しきること、また生活レベルを確実に落とすことなどが、本体が死なないことに直結すると考えている。
まぁ、これからも失敗をたくさんするでしょうが、挑み続け、まだまだ成長したい。
同じ2台持ちですが、あの頃とは、見える景色は別世界です。
2024年05月12日
同じ2台持ちですが別世界
posted by orangeknight at 11:10
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