続きです。
カラーベストを屋根塗装するときは、瓦と瓦が塗料でくっつかないよう縁切りをすることが絶対条件です。
カラーベストだけでなく、スレート屋根全般、そしてコンクリート製のモニエル瓦なども同じです。
とにかく元々くっついていなかったものどおしが、塗料でくっつくのは雨漏りを誘発する最大の理由となります。
写真のようにヘラを当てても全く入りません。結構先端は鋭利なヘラなのですがこの状態でした。
そこでくっついている部分の塗膜をヘラの先でカットしました。
その上でギュッと刺すと入るようになりました。
これを全ての部分で施工するのが縁切りです。
しかしなかなか手間がかかります。
だいたい普通の大きさのおうちの屋根は80〜100㎡あります。
これを塗装工事が終わったあと、せっせと全面に渡って施工すると、2人で丸1日くらいかかります。
新築から10年くらい経っての初めての屋根塗装ではそれはそこまで重要ではありません。勝手に縁が切れます。
しかし、そのまた10年後などの2回目の屋根塗装は気をつけないといけません。
前の塗膜が厚みを出していますし、塗料が瓦をコートしているので、新しい塗料の吸い込みが浅く、そのせいもあり瓦はニチャニチャとなりくっつきやすいのです。
塗装工事が終わって、その後で縁切りをコツコツするのは手間も費用もかかります。
そこでこういうものもあります。
タスペーサーと言います。
瓦と瓦を塗料でくっつけないように挟むものです。
こんなふうに使います。
カチッとはまります。
これを全体に施すのです。
タイミングは下塗りを塗った後です。
だいたい1枚に対して2箇所くらいはめていきます。
そして、そのまま中塗り、上塗りを塗っていくのです。
素材はポリカーボネートなのでなかなか強いです。塗装ものります。
こうすることで、上塗り後の縁切り作業をすることなく、最初から隙間を作り、縁を切っておくのですね。
80〜100㎡で費用にして5〜7万円くらいのものです。最後に縁切りの作業をしてもそれくらい費用はいきます。
また、縁切り作業は塗膜を傷つけますし、カラーベスト自体を傷める要素があります。なのでタスペーサーの方が有効だと私は考えています。
屋根塗装の際、きちんと縁切り作業、またはタスペーサーをしていれば、塗って5年でこのような状態にはまずなりません。
屋根の塗装をされる際、目立たない作業ではありますが重要視してください。
価格の安さや塗料の種類も大切ですが、非常に重要なポイントです。
きちんとそういう事までしたら数万円高くなるかもしれません。
しかし、後々の事を考えたらケチってはいけない費用ですし、業者側としてはきちんとそれをお伝えし、適切な施工をしないとお客様にとって大変なことになると思うのです。
スレート材であるカラーベストの屋根塗装、縁切りがすごく大切ですよというお話でした。
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