建物を新築する前に、こんな建物を建てますよと届け出る必要があります。日本ではなんでも自由に建てて良いわけではないんですね。
その際に、その建物が建つ地盤の状況をも報告するのですが、それが地盤調査です。
以前にもお話ししましたが、調べ方はいたってシンプルな方法で、地面の中に鉄の杭をグリグリと入れていき、その入り方でどのくらい強いかを測ります。
スクリューウエイト貫入試験(旧スウェーデン式サウンディング試験)と呼ばれるやり方です。
今実際にやっていますのでご覧ください。オレンジナイトの阿成植木テナント新築現場です。
こんな機械で計測します。
建物が建つ場所で、その建物の角や中央を数カ所調べていくんですね。ではこの場所で説明します。
この杭を地中に入れていきます。先っちょはとんがっています。
ちょっと詰まったら金づちでガンガン叩きます。
鉄の杭が地中に入っていくと、その杭のお尻に新たな鉄の棒を継ぎます。
1本が75センチ。2本を繋いで1、5メートルにしています。
さらにグリグリグリと、棒は回転しながら地中に入ります。
普通に立っている私にも、地中の杭の先端が進んでいく音がします。その際、ブチ当たる層により音が変わるんですね。
機械にもあるように、砂のような音だと砂のボタンを押す。ガリガリという音がなるとガリガリのボタンを押す。
そうすることで記録が残るのと、回転の仕方が変化するらしいです。
職人さんのセンスが出るところですね。
機械全体で100キログラムの荷重をかけています。写真手前の重りはその調整なんですね。
100キログラムの荷重で、ゆっくり回転させながら地中に進めていく。
そのときの様子を調べるのがこのスウェーデン式サウンディング試験です。
こちらが結果です。
この結果から読み取れるのは、以前に駐車場だったので表面から50センチくらいは結構しっかりしている。
しかし、紙にも書いているように70センチくらいから自沈(じちん)と呼ばれる状態で柔らかい地層となった。たしかに棒も途中スルスル滑るように入ったんです。
そして3メートルくらい入ると固くなってきています。
紙の一番左が深さ、次が荷重、1、00が100キログラムです。あとは状況ですね。
この場所では地下3、5メートルの場所で進み方が遅くなったんですね。何回も金づちで叩きましたし、固そうな音がなっていました。
回転の仕方から、十分な硬さである支持層が存在していると判断されたようで、ここで終了しました。
そうして私にもらったのが、先程の伝票みたいな紙なんですね。
それを清書して後日提出いただきます。
さて「次はこの場所を」と、建物の中心へ機械を移動していきました。
1箇所にだいだい30分。
地盤調査はこのように進めていくんですね。
将来地盤沈下しないように、この結果次第で次は地盤改良をしていきます。
新しい建物を解体して建てる案件以外はだいたい地盤改良は必要となりますのでまたその様子もお話します。
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