先週、こちらの倉庫の屋根の改修工事をお世話になりました。
屋根を葺き替えることになったのですが、理由は「屋根がアスベストだから」というものでした。
こういうスレートの屋根材でした。
築年数の経っている建物ではこのスレート、よく使われていますよね。
最近では非常に危険な材料だと言われていますので、こちらの倉庫を所有されているお客様も「ワシの代のうちにきっちりしておいてやらんと」となったのです。
では、危険だとは知ってはいるが、何が危険なのと思われている方もおられると思いますので簡単に説明します。
そもそも20〜30年前までは、アスベストは非常に優れた鉱物だともてはやされていたらしいです。
なぜなら軽いし、安いし、強い、そして火にも燃えない。
こんな優れたものがあるならどんどん使おうと、建築材料を生産するにあたって混ぜていったんですね。
ただ、それが後で、解体するときに人体に悪影響を及ぼすと判明し、使われなくなったのです。
写真のようなスレートの屋根や壁の倉庫は今でも多いですよね。2004年に製造中止になりましたので、それ以前は間違いなく含まれていますし、それ以降の物件はアスベストの入ってない材料となります。
アスベストが入っているからといって、屋根から日常的に何かが落ちてくる訳ではありません。普段は特に危険ではないんです。
危ないのは解体時です。
解体すると割れて、そこからアスベストが飛散するのです。繊維状だとイメージしてください。
それを吸うとすぐにではないんですが肺の中に蓄積され、ガン等の命に関わる病気になっていくのです。
アスベストの大きさは0.02μm〜0.4μmと、普通の不織布マスクの網目10〜100μmを簡単にスルーします。
0.1μmのコロナウイルス、5μmの飛沫と同じように、ただのマスクでは全く意味のないくらい微細なものですね。なので恐れられています。
アスベストが含まれている産廃の処分費も年々上がっています。
まだまだこれから解体が必要な物件も増えてくるでしょうし、気を付けて作業をしていきたいと思います。
最後に良いところも。
築10数年のアスベストが含まれていない最近の屋根材もよく目にするんですが、それはもうお粗末なものです。
アスベストが入っていないだけでここまで弱く、もろいものかとびっくりすることがよくあります。
カラーベストなどのスレートの屋根材がはアスベストが入っていないものは使い物にならないと言ってもいいでしょう。それくらい粉塵さえ出なければアスベストは優れものだったのです。
アスベストの話でした。
写真の現場の倉庫はガルバリウム鋼板の屋根に葺き替えました。
施工前
施工後
施工前
施工後
施工前
施工後
断熱材も付いていますので結露しにくいのです。
施工前
施工後
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