屋根に使われている瓦、三州と石州と淡路で全国の流通量の85%が生産されています。
ダントツ第1位の生産を誇るのが三州、愛知県の西部を指し、こちらで作られている瓦を総じて三州瓦と言います。
愛知県と言えばLIXILのトイレを作っている工場がある常滑市があります。
トイレは粘土からの焼き物ですよね。
常滑(とこなめ)焼や瀬戸焼、美濃焼が有名です。
質の高い粘土が採れるということが焼き物、そして瓦の産地となる条件なんですね。
愛知県には瓦のメーカーもたくさんあります。
オレンジナイトは鶴弥さんの平板防災瓦を一番使っています。
2番目、石州瓦ってどこの瓦か分かりますか。
答えは島根県です。島根県の西部で生産されている瓦を石州瓦と言います。
特徴は何と言っても色。
赤褐色なんです。山陰に行くと、辺り一面の入母屋の大きなおうちの屋根瓦が全て赤茶色という風景を目にします。
あの色は釉薬といううわぐすりで出しています。
こちらで採れる土はどこよりも高温で焼けるんだそうです。高温で焼けるということは強いんです。なので寒さや塩害には3大瓦の中で最も強いとされています。
ちなみに石州瓦は1200度の高温で焼かれます。すごい温度ですよね。
3位に我が兵庫県の淡路瓦が頑張っています。
なんと言っても淡路瓦はその仕上がりが美しい。
淡路瓦は「なめ土」と呼ばれる土を使用します。その土こそが焼き上がった時の細やかな表面の仕上がりを生み出す元です。
だいたい1000度で焼くらしいです。
和型のいぶし瓦では淡路の質感は見ていて惚れ惚れしますね。艶が素晴らしい。
最後に、我々は地上から屋根を見て三州瓦か淡路瓦かを瞬時に判断できます。
現場で高齢の男性のお客様に対し、屋根を見て「良い淡路瓦を葺かれていますね」と言うと「あんた分かるんか。そうなんや〜」と嬉しそうに語ってくださいます。
お客様を気持ちよくさせるのも我々の仕事。目利きは絶対条件なんですね。
こちらが三州のいぶし瓦
こちらが淡路のいぶし瓦です
2つは全然違います。
より高温で焼く三州は表面にブツブツができます。それに対して淡路はなめ土のせいで表面がしっとり艶があります。
強度は三州、美しさは淡路と言ったところでしょうか。
ではこちらはどちらでしょうか。
答えは淡路瓦です。鬼瓦の一番上なんかツヤっとしてるでしょう。こちらは築25年のおうちですが瓦も非常に美しい状態です。
余談ですが姫路市の妻鹿のお客様のおうちです。亡くなったおじいちゃんは元大工らしく、あちこちこだわられたおうちでした。
三大瓦についてでした。
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