リフォームでも新築でも、現在の住宅の壁や天井に使う化粧材で最も選ばれるのは壁紙です。壁紙を貼っていないお家を探すのはとても難しいくらいの採用率です。
ではその壁紙の基礎知識を。
壁紙はクロスとも言います。
これは、壁紙が元々は布製だったからです。布を英語でクロスと言いますよね。なのでクロスと呼びます。
現在の壁紙は多くがビニル製ですが、その名残でクロスと言っています。
ちなみにクロスを貼る職人さんを「クロス屋」と建築業界では呼び、決して「壁紙屋」とは言いません。慣習でしょうね。
私はクロスと言う方が多いです。15年、20年前はおじいさんやおばあさんには「壁紙」と言っていましたが、現在は80歳の方でもネットを使う時代なので「クロス」と口頭でも見積りでも記載しています。
ビニルクロスにも色々あります。
こちらはサンゲツの「SP」量産タイプのクロスです。
安価なタイプです。表面の加工が単純で種類は少ないですが価格は安い。賃貸のハイツなどに多いです。
こちらは同じくサンゲツの「リフォームセレクション」名前の通りリフォーム用です。
なぜリフォーム用かと言いますと分厚いんです。
新築の場合、新しいボードなどの壁材の上に新しく貼ります。まっすぐな面に。なのでクロスは薄くてもキレイに仕上がります。
しかし、リフォームは今のクロスをめくるところからのスタート。めくると、めくり残りが出ますし、下地がボコボコなります。
ボコボコするのでパテをするんですが、やはり薄いクロスでは「下地を拾い」ます。斜めから見たら分かります。
それが分厚いクロスだと小さなボコボコは吸収するので目立ちにくいのです。
リフォームの世界ではこれは必須の知識。クレームの原因にもなりやすい工事です。
そしてこちらがサンゲツの「リザーブ」1000番台のクロスです。
オレンジナイトでは一番これを使用します。もちろん貼り替えの面には分厚い柄をオススメしますが。
質も良質。いろんな加工がされていて、柄も豊富。カタログを見ていると楽しくなるのはこのシリーズです。
このリザーブやファインなどのシリーズを、私たちは通常「1000番台」と呼称します。
これはメートルあたり1000円以上するからです。
最初は意味分からなく「1000番台」と言っていましたが、昔クロス屋の親方に「なんでですか?」と聞いて教えてもらいました。
「1000円台」でなく「1000番台」なんでですかとさらに聞いたら「知らんわ!」と言われたのが懐かしい。
クロスは選ぶ柄で部屋の雰囲気がガラッと変わります。多いのはホワイト系ですが、トイレや洗面室では色物、柄物もよく採用されます。
クロスの基礎中の基礎知識でした。
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