2023年02月17日
原点だから
フィリピンから日本に指示をして、お金を騙し取っていたという話があるが、お金を持っていそうな人リストに電話をかけていたらしい。
電話をかける役割の人を「かけ子」と呼ぶらしい。
私は昔はテレアポや飛び込み営業をしていた。
20代の頃は、それで新規のお客様とアポをとり、訪問日時を設定し、現地調査や商談をしていた。
それで営業成績は100人くらいいた営業マンの中で入社1年後からずっとトップをとっていたし、それに命をかけていたと言っても過言ではない。だからこそ、電話をそんな詐欺に使ってほしくないし、何か悲しい気持ちになる。
もう10年以上そういう営業はしていない。
時代のながれと違うから。
今は反響と紹介だ。
ただ、昔、それをやってきたことは今でも誇りに思っているし、全身全霊かけてやってきたのでそこが原点だし、力になったし、良い体験をさせていただいたと感謝している。
電話をかけてアポイントをとる手法、これをテレアポという。
神経を研ぎ澄まして何万件、何十万件とテレアポをやってきた。なので相手が電話に「もしもし」と出た声だけで年齢、体型、どんな性格かなど分かる。これはアポを取って訪問したことの繰り返しによる、すり合わせ学習と自分なりの統計である。
まず、こちらが名乗る。
そして、要件を伝えると、その次相手が言う言葉がある。決まっていう言葉である。
それは「結構です」だ。他にも「要りません」「いいです」などあるが、まずは断り文句で始まる。
ここでいきなり「待ってました」とか「考えていた」と言う方も1000件に1件くらいあるが、だいたい眉唾であり、受注まで繋がることなどない。
ナンパと同じである。
「彼女、お茶しない?」と声をかけたとしよう。いきなり「いいよ」と言われたら逆に怖いでしょう。成功する場合も、まずは彼女は怪訝な表情をするものであるし、それが正しい。そこからだ。
話を戻すが「結構です」と言われた後、それを「そうですよね〜」と肯定する。そして「でも、〜」と再度投げかける。
何が言いたいかというと、この再度投げかけた時の相手の反応で、アポイントが取れる、取れないはだいたい分かる。分かるようになったのだ。
言葉尻は関係ない。「お金がない」とか「先では」と否定的な言葉でも全然分かる。「あ、この方、絶対に興味がある」と感じる。
いや、ニーズもそうだが、人間性が分かると言った方が正解だろう。いろんな要素があるが、何よりも私は人間性で判断することを理論立ててきた。
そこからは押したり引いたり、テスクロをかけたりとしていったが、良いアポイントは3分で取れる。取れた。
逆にあーでもない、こーでもないと、テレアポでコネクリ回したアポは、訪問したときにはもうお腹いっぱいで良い方向には繋がりにくい。
あくまで、アポイントをとり、期待させた状態で訪問することを心がけ、あとは全力で提案し、プレゼンし、そして自分を売ったものだ。
書いていたら気持ちが昂ってきていくらでもかける。それくらい熱くやってきた。アポを取るためにはテクニックも必要だが、何よりも真心、気持ちであり、パッションであり、相手にはそれは必ず伝わると信じてやってきた。相手もこちらを見ているのだ。
決して口のうまさではなく、心なのだと思っている。
だから、そういうのを悪い方に使う奴らがいると、腹が立つ以上に悲しくなる。能力があったなら、正しい方向に使ったらいいのにな。
やってきたから、詐欺がどういうふうにアポを取っていったのかもなんとなく分かる。
人を騙して得たお金は絶対に残らない。他人の不幸の上に自分の幸せはない。
神聖なテレアポを冒涜された感じがすごいするのです。
それまでの人生、特にこれといった成功体験のなかった自分の原点だから。
posted by orangeknight at 14:37
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