
確かに本屋大賞でしょう。感動を通り越して震えがでるラストでした。
まず10代の子供達の心情のの描写が繊細でかつ理解に満ちている。
作者はこの本に出てくる登場人物たちと同じように、学校に行けない子や行かない子に伝わるように、イメージして書いてくれたのではないか。
思春期の頃のせつない想い。狭い範囲で生きているにも関わらずそれが全てのように見えてしまう年頃の考えることが非常に文字を通してうまく表現しており、私は「あ〜、昔はこんなふうに感じていたな」と感じる場面が多かった。
ラストのストーリー展開。95%の時点まではとてもゆっくりしたペースで流れていた物語が残り5%で急加速した。
作者の辻村深月氏の設定の完成度の高さのおかげで最後は震えがでるほど感動した。
人はみんな誰かに助けられて生きている。すぐ目の前にいる人たちはもちろん、自分が意識していないところにいるいろんな人たちに支えられて生きている。こんな事を伝えたかったのかなぁと読み終えて思いました。
中学生にぜひ読んでほしい一冊でありました。素晴らしい本です。