原作も読みましたが、実写版では舘ひろしさんが主人公の田代壮介の人間模様をうまく演じられていた。本を読んだ時のイメージのままでした。
あらためて人間の生きる目的、また人は成長しながらも消耗していく生き物だと考えさせられた。定年は生前葬、これはこの本のテーマでありながら、作者は何かそこで一度死んでからどう生きるかを訴えているようにも感じた。
原作は少し物悲しいストーリーでしたが、映画では面白く脚本されていた。
私の他に、広い映画館に上映3日目にも関わらず10人もいませんでしたが、そのお客さんたちが皆さん「終わった人年齢」で、普通静かな映画館にもかかわらず、ゲラゲラ笑いながらご覧になられていたのが新鮮で、また気持ちがわかるんだろうなぁと思いました。
人はそれぞれの人生で必ずピークが訪れるんでしょうし、それを振り返りイメージするのかと想像します。
そして、それが仕事でもなんでも一球入魂したものであればあるほどそれを失ったときの虚無感は大きいのかなと思います。
しかし、人生が消耗するものであるならば、私は余力を残さず完全に消耗しきりたいなぁとさらに考えました。
仕事を終えるときイコール人生の終わりが今の自分の満足かなと。
田代壮介が定年を迎え、帰宅時にハイヤーで送ってもらうのですが、その車のナンバーが49−89(四苦八苦)だったのや、田代壮介が通うスポーツジムのシーンで、原作者の内館牧子さんが2回も登場していたのも面白かったです。
