村上世彰氏の「生涯投資家」

有名な村上ファンドの村上さんです。
当時「お金を儲けて何が悪んですか」と発言したりしてマスコミにバッシングされていましたが私にはなぜでしょう、かっこいい人と写っていました。
あの時、何があったとかはあまり知りませんでしたが、本屋さんで並んでいたこの本を読んでそうだったのかと思うことがたくさんありました。
村上氏はまず日本でのコーポレートガバナンスを浸透させたかったのだと書かれている。今でこそ普通に言われるそれですが、その当時には大企業ですらそんな概念はほぼなかったと。それを根付かせたかったことが信念だったらしい。
また、大企業のあるべき姿をとことん考えたと。
コーポレートガバナンスの浸透による資金循環の促進、これこそが経済成長を促す策であると述べられている。
そういうことを考え、実践し、しかしそれを大きく表現する人がいるからこの国や社会が前進する。改めて世の中を動かした人なのだと感じます。
2006年にインサイダーで逮捕されて以降は露出を避けてきたらしい。
子供の頃からお父さんに投資を教わり、通産省に16年勤め、その後はコーポレートガバナンスを広める大義を持って活動したが、意図が理解されずに大きく叩かれ逮捕に至った。
事件は腑に落ちないところもあるがまずはそこで一つの区切りがついたように思われる。
叩かれたことも氏は自分の表現や行動にも原因はあると認めれているし、書かれている以上に大きく悩まれたことも多くあると思います。
自分の意思や真意がきちんと世間に伝わらず、何をしても悪いように感じられたら、自分ならどういう性格になってしまうだろう。
村上氏はその点素晴らしい。すべて飲み込んでこの10年間生きてこられたのですから。
成功している人に共通してあるのは被害者意識を持っていないこと。物事の結果を人や環境にせいにしない。
そして高い志を持っている。もち続けている。
他人は成功したその人を見て立派だというが、その過程において必ずそういう感覚を持っている。
2015年に村上氏の事務所に強制の調査が入ったらしい。
そのことが沈黙を通していたことに変化を起こしたと書かれている。
当時、村上氏の会社には娘さんが入社し、同じようにコーポレートガバナンスの浸透を目指し働いていたらしい。
その調査が入ったとき娘さんは妊娠していたが、全くその当時のトレーディングに関与していなかった娘さんも調査の大きな対象となり、逮捕されるかもという心労も重なり始めての女の子を死産してしまわれたらしい。
そのことで家族がすごく大きな悲しみに見舞われ、村上氏は自分自身が表に立って自分の理念や信念をきちんと伝えねばいけないと思い始めたと書かれていました。
いろんな慈善活動もされているようです。
世の中に人並み以上の影響を与えるにはそれなりのパワーが必要ですよね。素晴らしい人生だなぁと感じた一冊でありましたし、すごく人間らしい人なんだと思った本でした。