
今年読んだ本の中で一番泣きました。
ストーリーは主人公である「僕」が、クラスメートの「山内桜良」の膵臓の病気を知ってしまうところから始まります。
あと一年しか生きることができない。
その現実を受け止めて毎日を明るく活発に生きる「桜良」と、今まで人と関わることを避けて生きてきた「僕」との交わり。
一緒に過ごした4ヶ月の間で特に「僕」の気持ちが変化してきたことが、文章の中でとても感じられた。しかも、それが徐々に徐々にという変化であり、筆者が少しずつの変化を表現されているところが私は感心したところでありました。
「僕」と「桜良」がお互いに相手の魅力を認めて、同じ慣用句を用いて別々のところで表現していた。「君の爪の垢を煎じて飲みたい」と、高校生らしいと感じました。
そして、その言葉ではありふれていてつまらないと2人ともがすぐに訂正したんです。今の自分の君への想いはこうだと。
それが「君の膵臓を食べたい」という言葉です。
最後に「あと一年の寿命」という考え方をよくしますが、確かにそういえば人間があと一年の寿命だなどと勝手には決めることはできないものであるとも考えさせられた。
とても良かった。読ませていただき感謝します。青春です。