昨日この本を読みました。
新潮社から出ている、浅田次郎氏の「ブラックオアホワイト」です。
商社に勤めていた都築の夢と現実が交錯した人生の話。
スイス、パラオ、ジャイプールに北京そして京都と世界をまたにかける商社マンとしての昼の顔とそして夢の中の幻の世界。
いずれの地でも黒い枕を使うと暗黒の夢を見、白い枕は快楽の夢へと続く。
都築はそれも承知の上で夢の世界へと自ら足を踏み入れることを繰り返した。自らの人生を夢が支配しているかもしれない、いや夢とは都築は「フロイトによると夢の正体はエモーション」と表現した。
ちなみにエモーションとはフロイトの心理学では「情動」もしくは「情緒性」と直訳され、いわば「喜怒哀楽」のことであるらしいです。理性的な判断とは関係なく出現し、やがて消え去る感情のことをいうとのこと。
夢は願いが表現されうる世界でもある。今までは夢をみるという受け身な感覚でしたが、今回この本を読ませていただき、夢を見に行きたいなという感情が芽生えました。
商社というパワフルなビジネスシーンの展開といい、とても楽しい本でした。