「営業という仕事は大変なしごとである」とは今は全く思いませんが、少なくとも営業という職について半年一年くらいは切実にそう想い考えました。
ルートの営業と違い新規のお客様を一軒一軒まわっていく営業が僕の原点です。
今となれば何とも思いませんが、最初の頃は「けっこうです」「いらん!」「しつこいぞ!」「知り合いがいる」果ては「だまされないぞ」までいろんな言葉に自信を無くし、ご多分にもれず自分にやっていけるものかと悩んだものです。
まるで自分だけが世間から取り残されているかのようにも考え、まるで自分だけが精一杯頑張っているかのように錯覚し、完全に自責の念など当時の自分にはなかった。
やっているのにと勘違いしていた自分。逃げれば楽になると考えた自分がいました。
なぜこの話かと言いますと、昨日ある二代目社長と話をする機会があったんですがまた学びがありました。
いろんな話をした中の一つに、営業の世界での新入社員はどこの会社でも続きにくいものだという話がありました。
たしかに、うちの会社でも早期に自分には無理だと見きりをつけてしまう人がいる。
その人の会社でも同様だと言う。
一致した意見が「もったいない」ということです。
どこの世界も最初からうまくいくはずがなく壁にぶち当たる。
「隣の芝生は青く見える」とはよく言ったもので、困難にぶち当たったときよそには楽園があるように見える。自分だけが大変な想いをしているような錯覚に落ち入り、可能性をわからずにやめていくのかなという自分の経験も踏まえた話をしました。
「石の上にも三年」最近はあまりそんな言葉聞きませんが、ようやくその仕事の本質がわかるようになるまではそのくらいはかかります。
辞めるならそれからでも遅くはないのに、本当にもったいない。どうせ辞めるなら、社長が嫌いだという理由のほうが本人にとって良いですねといって笑いました。
そして、確かにと感じたことなんですがその方が仰っていました。
「僕らはよく二代目とかボンボンとか言われる。しかし、うちでも創業したのは親父で、親父はすごいとは思っていますが、僕ら二代目もそこそこ売っている。それはなんでかわかりますか?」
「なんでですか」と僕が聞きました。
するとこう言われました。「僕らは選べないんですよ。やらなしょうがない。やらないと潰れてしまうから本気でやります。センスやなんやいろいろあると思いますが、ようはフワフワしたものがないのと、背水の陣ということでしょうね」と笑っていました。
その通りだと思いました。僕もそうだった。できるかどうかと悩んでいる間は売れなかった。しかし、もうあれこれ考えるのはやめよう、とにかく一年間どっぷりこの世界につかってがむしゃらにやろうと決意してから契約がとれるようになってきた。
神様はみているんですよね。本腰を入れたかどうかを。
本腰を入れた人間だけが見えてくる世界はこの世の中にたくさんあり、それは得てして共通しているのかなとも考えます。
「僕らは選べないんですよ。やらなしょうがない。」普通の言葉ですがかっこいい言葉だと感じました。
2014年03月21日
本腰を入れる
posted by orangeknight at 15:23
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