毎月「致知」という雑誌を購読しています。
本屋さんとかには置いていないようで、定期購読の申し込みをして月に一度配達されてきます。
本のテーマは人間力という内容で一貫していまして、僕は自分の内面を豊にするための教材として読ませていただいています。
今月の特集は「一意専心」その字の如くですが、広辞苑によりますと「他に心を向けず、その事のみに心を用いること」とあり、まさにその道を極めんとする者にとりなくてはならない気概であると思います。
全て吸収してやると思って読んでいるんですが、中でも気になった記事をコピーして社員に配ったり読んだりしています。
今月は有名な料理人の対談の記事に特に感じるものがありました。
今はそれぞれが店を出し、手広く成功されているんですが、たまたま同じ四国の料亭で修行したことがあり、そこからのご縁らしいです。
一つのことをなし得るには情熱が要る。できるまで諦めずに何回でもする。苦労と思った瞬間に苦労になる、プロフェッショナルとは覚悟を決めた人などと、まさにその通りだと感じさせてもらえる事が書かれていたんですが、中でもこういう経験を若いうちにしていることって大切だと改めて思ったところがありました。
それは、弟子に入ってからしばらくは「はい」と「すみません」しか口にしてはいけないと大将に教えられたのでそれを通したということです。
そして、その後に書かれていました。「これは四十歳を過ぎて分かったことですが、料理人の世界に限らず世の中を生きていくのに大切なのは、どれだけ理不尽に耐えられるか、自我をどれだけ抑制して生きていけるかです。」料理を学びに入った料亭で料理を教えてもらえず、三年間も別の仕事を仰せつかったらしいです。でもそれは今振り返っても無駄な経験ではありません、と書かれていました。
我々の仕事でも同じです。世の中を強く渡っていこうと思えば理不尽を受け止められないと絶対にいけないと僕は思います。
特に若い人はそれが欠けています。
そういう教育を受けてないから社会に出て初めて理不尽をくらうのだと思いますが、本当に最初のうちは自我など必要ないと思います。
守られて生きているということは理不尽も受け止めなければなりませんし、僕は理不尽を受け止めるということをせずに大成する人はいないと思っています。
社内だけでなく、世の中理不尽のかたまりです。
僕も理不尽な事を言いますし、社外の取引先や関係者、またひいてはお客様に至ってもそれはあると思います。
営業していてお客様に理不尽な事を言われ全て我を出して討論していたら仕事になりません。
そこを受け止め、誠意ある対応をすることによってお客様から心から認めてもらえるというのは僕の経験則ですし、お客様は大体僕らより年齢は上ですから仕えるという気持ちを持たずして頼りにはしていただけません。
いろんな所から理不尽な扱いを受けるのは社会で生きていくうえで逃れられませんし、多かれ少なかれ誰しもが感じる感覚です。
若いうちに自我を出さずに、表情を変えずに歯を食いしばって「わかりました」と一度きちんと飲み込み、そのことに対してきちんと次の動きを考えて行動していると必ず見てくれている人はいますし、他人ではなくまずは自分をという自責の念が身に付くと思います。
男は年をとったときにどんな生き方をしてきたかが顔にでると言われます。
そういういろんなものをきちんと受け止めていった人はそういう顔になると僕は思います。
そして相手の気持ちが分かる大人になると思います。
僕もまだまだその年齢ですが、若い人はそういうことを意識して大切にしなければ迷う四十、五十歳になると思うんです。
我慢する期間って、長い人生のうちにあったほうが幸せなことだと考えさせてもらえた今月の致知の対談でした。
2014年01月13日
今月の致知から
posted by orangeknight at 11:29
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