
サントリーの「マグナムドライ」を買いました。今は「MD(マグナムドライ)ゴールデンドライ」と言うらしいですね。
今週、新聞でサントリーがマグナムドライの生産をやめ、発泡酒の製造を終えた、との記事を見て今日買いに行けました。
よく贈り物などで使われる、あの高い「プレミアムモルツ」とCMでよくみる第三のビール「金麦」に生産を集中して、利益率を上げるためらしいです。
僕にとって、この「マグナムドライ」は想い出のビールなんです。
社会人になり、しばらくは実家にいたんですが、その頃から晩ご飯ではビールを飲んでいました。
飲んでいるといっても、父のビールをあたかも自分のものでもあるように飲んでいました。
銘柄はアサヒの「スーパードライ」。瓶ビールでした。
しばらくして、大学も実家から通ったため、一度独り暮らしがしてみたく、姫路の飾磨でワンルームの賃貸を借りて念願の独り暮らしを始めました。
その時にまず感じたのが、実家にはいろんなものがあったが、ここでは醤油やソースから自分で買わねばない、ということと、なんでもお金が発生するということでした。
今までは自分の好きな事だけにお金を使い、生きていくためにはお金を使わなくても両親が守っていてくれていました。
その事に自分の稼ぎで生活しだして始めて気づいたわけですが、その時に「無理や…」と感じたのが、アサヒの「スーパードライ」やキリンの「ラガー」を毎日飲む事でした。
たまに買うぶんには、多少の差かもわかりませんが、毎日飲むとなると箱買いとなります。
僕には高かったんです。こんなにするんかって感じたのを昨日のように覚えています。
その時に僕を助けてくれたのがサントリーの「マグナムドライ」なんです。
助けてくれたはオーバーかも知れませんが、毎日飲むのが楽しみなんですが、ビールが買えないので必然的に発泡酒、となるんですがどれも僕には味が薄く感じられました。
「スーパードライ」を当たり前のように飲んでいた僕には、どれも水くさく感じたんです。
でも、飲みたい!かといって本当のビールと発泡酒の差額でかなりの食糧が買える現実。
そんなときに出合ったのが「マグナムドライ」です。苦くて、旨かった。「オオー♪」と思いました。
それからしばらく「マグナムドライ」を買い続けました。
「マグナムドライ」、と聞くとサラリーマンになり、営業という仕事を始めた時の、あの辛くて、きつくて、悩んだ毎日の、そして夜の12時は当たり前のようにすぎて仕事が終わり、一人で明日も頑張るぞと思いながら食べた晩ご飯、そして机の上にある銀色の缶、まさしく「マグナムドライ」なんですが、とても懐かしく感じます。
「マグナムドライ」が無くなると知り、少し寂しくもなり、またなんだか懐かしい気持ちにもなりました。